手術手技
食道胃接合部癌に対する腹腔鏡下噴門側胃切除+下部食道切除術における食道残胃吻合(SOFY法)
山下 好人
1
,
辰林 太一
1
,
宮本 匠
1
,
上野 剛平
1
,
野間 淳之
1
,
榎木 佑弥
1
1日本赤十字社和歌山医療センター消化管外科
キーワード:
SOFY法
,
食道胃接合部癌
,
食道残胃吻合
Keyword:
SOFY法
,
食道胃接合部癌
,
食道残胃吻合
pp.1527-1532
発行日 2018年9月15日
Published Date 2018/9/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000000852
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近年,食道胃接合部癌の症例を経験する機会が増えるとともに,その外科治療に関心が高まっている。日本胃癌学会・日本食道学会合同のワーキンググループによる全国調査によると長径4 cm以下の食道胃接合部癌ではNo.4sa, 4sb, 4d, 5, 6リンパ節の郭清意義は認められなかった1)。このことから胃全摘の必要性はなく噴門側胃切除+下部食道切除が妥当な術式と考えられるが,そのアプローチや再建法に関してはいまだ施設によりさまざまである。アプローチ法としては経食道裂孔的に腹部操作のみで行う場合と胸部操作を加える場合,さらに腹腔鏡下に行う場合と開腹の場合が考えられる。再建においては食道残胃吻合やダブルトラクト法が行われているが,食道残胃吻合においても逆流性食道炎を予防するためにさまざまな吻合法が報告されている。われわれは胃上部の癌に対する腹腔鏡下噴門側胃切除術における再建法として独自の食道残胃吻合(Side Overlap with Fundoplication by Yamashita;SOFY法)を考案し,報告してきた2)。このSOFY法は術後の逆流性食道炎や狭窄をきたしにくく,内視鏡下でも簡便に行えることが特徴である。現在ではこの方法を下部食道切除が必要となる食道胃接合部癌に対しても腹腔鏡下経食道裂孔的アプローチで行っている。
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