手術手技
胸腔鏡・腹腔鏡下下部食道噴門側胃切除後の高位食道残胃吻合におけるノーナイフ自動縫合器を用いた観音開き変法
柴尾 和徳
1
,
田嶋 健秀
1
,
長尾 祐一
1
,
佐藤 永洋
1
,
平田 敬治
1
1産業医科大学第1 外科
キーワード:
胸腔内観音開き法
,
食道残胃吻合
,
下部食道噴門側胃切除術
Keyword:
胸腔内観音開き法
,
食道残胃吻合
,
下部食道噴門側胃切除術
pp.1779-1787
発行日 2017年12月15日
Published Date 2017/12/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000000510
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食道胃接合部癌は近年,わが国を含めた先進国を中心に増加傾向にある。食道胃接合部癌は食道と胃の境界領域という解剖学的な特徴からリンパ節転移の頻度や郭清効果など不明な点も多いため,日本胃癌学会・食道学会が合同で全国調査を行い,2014 年に至適郭清範囲の暫定的アルゴリズムを提示した1)。しかしながら,依然としてコンセンサスの得られた標準的な術式は確立されていない。食道胃接合部癌に対する手術手技のポイントは,必要に応じて下縦隔や食道裂孔周囲,胃上部,噴門のリンパ節を確実に郭清することと,口側断端を腫瘍縁から2 cm 以上確保して安全に再建を行うことである。下縦隔操作のアプローチに関しては2 通りあり,通常の食道癌手術に準じた経胸的アプローチもしくは経食道裂孔的アプローチが挙げられる。両者には一長一短があり,適応を十分に考慮し,各施設で適したアプローチ法を選択することが必要となる。
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