特集 腹腔鏡下胃切除後体腔内再建のKnack & Pitfalls
Ⅲ.腹腔鏡下噴門側胃切除術 3)観音開き法(上川法)による再建
西﨑 正彦
1
,
黒田 新士
1
,
野間 和広
1
,
菊地 覚次
1
,
白川 靖博
1
,
藤原 俊義
1
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科消化器外科学
キーワード:
食道胃接合部癌
,
腹腔鏡下噴門側胃切除術
,
観音開き法再建
Keyword:
食道胃接合部癌
,
腹腔鏡下噴門側胃切除術
,
観音開き法再建
pp.55-59
発行日 2019年1月15日
Published Date 2019/1/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001008
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食道胃接合部癌に対する術式,郭清範囲,再建方法はまだ議論の途中である。下部食道噴門側胃切除術後に下縦隔・胸腔内で食道残胃吻合を行う場合は胸腔内の陰圧により食道胃逆流が助長され術後の逆流性食道炎によるQOL低下が危惧されるため,徹底した逆流防止機構をもつ再建法を選択すべきである。当科では1998年に上川らが報告した逆流防止機構の再構築を伴った食道残胃吻合,通称「観音開き法再建」1,2)を胃上部早期癌に対する噴門側胃切除術後の標準再建法とし,その成績を報告してきた3,4)。2011年から食道側に主座がある食道胃接合部癌に対し胸腔内観音開き法再建を導入したが,胸腔内食道残胃吻合においても十分な逆流防止機能を認めている5-7)。当初は左開胸開腹連続斜切開で行ったが,最近では低侵襲かつ合理的な方法として腹臥位胸腔鏡下下縦隔郭清,仰臥位腹腔鏡下噴門側胃切除・経裂孔胸腔内観音開き法再建としている5-7)。
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