手術手技
拡大S2亜区域切除術─parenchyma-sparing liver resectionの観点から
小林 光助
1
,
國土 貴嗣
1
,
長谷川 潔
1
1東京大学肝胆膵外科,人工臓器・移植外科
キーワード:
亜区域切除
,
左肝静脈
,
umbilical fissure vein
Keyword:
亜区域切除
,
左肝静脈
,
umbilical fissure vein
pp.1401-1406
発行日 2018年8月15日
Published Date 2018/8/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000000821
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肝切除は肝細胞癌(hepatocellular carcinoma;HCC)や大腸癌肝転移(colorectal liver metastasis;CLM)などの肝腫瘍に対する唯一の根治的治療である。近年,術後肝不全の予防や再肝切除率の向上という観点から残肝容積をできるだけ温存する肝切除(parenchyma-sparing liver resection)を推奨する報告が増えてきている1-8)。一方,残肝のうっ血は,肝機能低下や,肝再生の遅延,または肝壊死を招く可能性があり,残肝の静脈還流を維持することは肝切除において重要である。腫瘍がS2亜区域に位置し,左肝静脈(left hepatic vein;LHV)に浸潤している症例では,LHV切除によりS3亜区域のうっ血が生じるため,通常は外側区域切除が選択される。
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