坂の上のラパ肝・胆・膵・9
肝S7亜区域切除術
大目 祐介
1
,
本田 五郎
1
Yusuke OME
1
,
Goro HONDA
1
1新東京病院消化器外科
pp.1125-1134
発行日 2020年9月20日
Published Date 2020/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213063
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Point
◆右肩挙上仰臥位から体をさらに左側に傾け,肝右葉を完全に脱転し,右横隔膜窩に安定した広い作業スペースを妥協することなく確保する.これにより肝右葉の背側面をできるだけ正面視に近い角度で観察できるようにする.
◆肝右葉背側の下大静脈(IVC)右側縁上のラインは,後区域と尾状葉の境界とほぼ一致する.S7のGlisson分枝(G7)を含むすべての後区域Glisson枝はこのラインを必ず通過する(本連載第7回「後区域切除術」を参照).
◆G7は背側の肝表から見ると浅い部位を走行していることが多いので,背側の肝表から肝実質を離断して根部を露出する.G7が肝門近くで分岐して背側の肝表から深い部位を走行する場合は,Rouvière溝背側の尾状葉突起部を後区域Glisson茎から剝離し,連続してG7根部を露出する.
◆肝右葉背側のIVC右側縁上のライン(S7/尾状葉境界)から右肝静脈(RHV)本幹に向かって肝実質を離断して,RHV本幹をIVC流入部から連続して露出する.
◆G7を離断してS7/S8間のRHV本幹全長を露出したら,RHV本幹と肝表のdemarcation lineの間のintersegmental planeを離断する.
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