Japanese
English
特集 水疱症
Dipeptidyl Peptidase-4阻害薬内服中に生じた粘膜類天疱瘡の1例
Mucous membrane pemphigoid associated with dipeptidyl peptidase-4 inhibitor
濱本 龍典
1
,
武重 千沙
1
,
渡辺 秀晃
1
,
末木 博彦
1
,
古賀 浩嗣
2
,
石井 文人
2
,
泉 健太郎
3
Tatsunori HAMAMOTO
1
,
Chisa TAKESHIGE
1
,
Hideaki WATANABE
1
,
Hirohiko SUEKI
1
,
Hiroshi KOGA
2
,
Norito ISHII
2
,
Kentaro IZUMI
3
1昭和大学医学部,皮膚科学講座(主任:末木博彦教授)
2久留米大学医学部,皮膚科
3北海道大学大学院医学研究院,皮膚科
キーワード:
粘膜類天疱瘡
,
DPP-4阻害薬
,
BP180
Keyword:
粘膜類天疱瘡
,
DPP-4阻害薬
,
BP180
pp.1341-1345
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004102
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64歳,女性。10年前から糖尿病の治療としてdipeptidyl peptidase(DPP)-4阻害薬を内服していた。3カ月前から口腔内と頭部に水疱とびらんが出現した。初診時,歯肉部と左頰粘膜にびらんが多発し,頭部の1カ所に水疱がみられた。頭部の生検病理組織では表皮直下に裂隙形成があり,水疱内および真皮浅層には好酸球を混じるリンパ球浸潤を認めた。蛍光抗体直接法では表皮基底膜部にIgG,IgA,C3が線状に陽性であり臨床症状とあわせて粘膜類天疱瘡と診断した。DPP-4阻害薬内服中に粘膜を主体に水疱,びらんを生じた際は,水疱性類天疱瘡や尋常性天疱瘡に加え粘膜類天疱瘡も鑑別にあげ,眼科や耳鼻咽喉科の協力を得て精査する必要があると考えられた。
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