Japanese
English
特集 水疱症
初診時にDipeptidyl Peptidase-4阻害薬関連類天疱瘡を疑った疱疹状天疱瘡の1例
Herpetiform pemphigus masquerading as dipeptidyl peptidase-4 inhibitor-related bullous pemphigoid
和泉 麻衣子
1
,
石井 文人
2
,
細川 洋一郎
3
,
芦田 日美野
4
,
石井 芙美
3
,
蓮井 謙一
3
,
濱田 利久
3
Maiko IZUMI
1
,
Norito ISHII
2
,
Yoichiro HOSOKAWA
3
,
Himino ASHIDA
4
,
Fumi ISHII
3
,
Kenichi HASUI
3
,
Toshihisa HAMADA
3
1香川大学医学部,皮膚科
2久留米大学医学部,皮膚科学教室
3高松赤十字病院,皮膚科
4岡山大学医学部,皮膚科
キーワード:
疱疹状天疱瘡
,
DPP-4阻害薬
,
蛍光抗体直接法
,
抗デスモグレイン1抗体
,
プレドニゾロン
Keyword:
疱疹状天疱瘡
,
DPP-4阻害薬
,
蛍光抗体直接法
,
抗デスモグレイン1抗体
,
プレドニゾロン
pp.22-26
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003040
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71歳,女性。2型糖尿病に対するdipeptidyl peptidase-4(DPP-4)阻害薬の内服開始から1カ月半後,体幹と四肢に強い瘙痒を伴う浮腫性紅斑が出現した。一部の紅斑は環状で辺縁に小水疱が多発していた。DPP-4阻害薬関連類天疱瘡を疑い精査を進めたところ,病理組織学的に表皮内は好酸球性海綿状態であり,蛍光抗体直接法はIgGとC3が表皮細胞表面に沈着していたことから疱疹状天疱瘡と診断した。プレドニゾロン内服30mg/日から治療を開始し著効した。軽快後,DPP-4阻害薬の内服を再開したが,皮疹の再燃は認めず経過している。これまでにDPP-4阻害薬の開始後に疱疹状天疱瘡を発症した症例の報告はない。疱疹状天疱瘡とDPP-4阻害薬との関連は明らかではないものの,発症の契機となった可能性は否定できないと考えた。
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