Japanese
English
症例
Dipeptidyl Peptidase-4阻害薬長期内服後に発症した抗ラミニンγ1類天疱瘡の1例
Anti-laminin γ1 pemphigoid occurring after long-term administration of a dipeptidyl peptidase-4 inhibitor
野村 史絵
1
,
西部 明子
1
,
牛上 敢
1
,
二ッ谷 剛俊
1
,
池村 渓伺
1
,
八田 順子
1
,
望月 隆
1
,
南部 昌之
2
,
石井 文人
3
,
橋本 隆
4
Fumie NOMURA
1
,
Akiko NISHIBU
1
,
Tsuyoshi USHIGAMI
1
,
Taketoshi FUTATSUYA
1
,
Keishi IKEMURA
1
,
Junko HATTA
1
,
Takashi MOCHIZUKI
1
,
Masayuki NANBU
2
,
Norito ISHII
3
,
Takashi HASHIMOTO
4
1金沢医科大学,皮膚科(主任:望月 隆教授)
2恵寿総合病院,皮膚科
3久留米大学,皮膚科
4大阪市立大学,皮膚科,特任教授
キーワード:
抗ラミニンγ1類天疱瘡
,
DPP-4阻害薬
Keyword:
抗ラミニンγ1類天疱瘡
,
DPP-4阻害薬
pp.219-223
発行日 2021年2月1日
Published Date 2021/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002397
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76歳,男性。糖尿病のためリナグリプチン内服。約42カ月後に体幹,左手関節周囲に瘙痒を伴う緊満性水疱が出現した。病理組織像では表皮下水疱を呈し,免疫ブロット法で200kDa(p200)蛋白に対する抗体を認めたため,抗ラミニンγ1類天疱瘡と診断した。リナグリプチン中止後,ミノサイクリン塩酸塩(200mg/日),ニコチン酸アミド(600mg/日)を開始したが,水疱形成が続いたため,プレドニゾロン(30mg/日)を追加した。約6カ月後には水疱新生はおさまり,約13カ月後にはすべての薬剤を中止した。経過中,水疱は体幹や大腿にも生じたが,四肢遠位,頭部にほぼ限局していた。自験例はリナグリプチン内服42カ月後に発症しており,DPP-4阻害薬が疾患の発症に関与した可能性も考えられる。
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