Japanese
English
特集 水疱症
丘疹-紅皮症様の分布を伴ったDipeptidyl Peptidase-4阻害薬による水疱性類天疱瘡の1例
Bullous pemphigoid due to a dipeptidyl peptidase-4 inhibitor with papulo-erythroderma-like distribution
袖本 衣代
1
,
中村 彰伸
2
Kinuyo SODEMOTO
1
,
Akinobu NAKAMURA
2
1浅ノ川総合病院,皮膚科,医長
2同,内科
キーワード:
DPP-4阻害薬
,
水疱性類天疱瘡
,
丘疹-紅皮症
,
脳梗塞
Keyword:
DPP-4阻害薬
,
水疱性類天疱瘡
,
丘疹-紅皮症
,
脳梗塞
pp.37-40
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003043
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78歳,男性。多発性の脳梗塞,硬膜下血腫の既往があり,dipeptidyl peptidase-4(DPP-4)阻害薬であるシタグリプチンリン酸塩水和物を内服継続中に水疱性類天疱瘡を発症した。全身に浮腫性紅斑と緊満した水疱を多数認め,腹部では,皺襞を避けた分布を示した。薬剤リンパ球刺激試験ではシタグリプチンリン酸塩水和物に陽性反応がみられ,DPP-4阻害薬に関連した水疱性類天疱瘡と考えた。抗BP180NC16a抗体価の高値を伴い,病勢コントロールにステロイドの全身投与を要した。経過中には,新たに脳梗塞および硬膜下血腫の発症が疑われた。水疱性類天疱瘡の発症や臨床像および臨床経過には,薬剤や年齢,基礎疾患などの患者背景が複合的に関与する可能性を考えた。
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