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特集 水疱症
アザチオプリンが奏効した後天性表皮水疱症の1例
Epidermolysis bullosa acquisita successfully treated with azathioprine
中田 侑宏
1,4
,
石井 文人
2
,
鈴木 大介
3,4
Yukihiro NAKATA
1,4
,
Norito ISHII
2
,
Daisuke SUZUKI
3,4
1虎の門病院,皮膚科
2久留米大学病院,皮膚科
3国際医療福祉大学市川病院,皮膚科
4公立昭和病院,皮膚科(主任:鈴木大介部長)
キーワード:
後天性表皮水疱症
,
Ⅶ型コラーゲン
,
アザチオプリン
Keyword:
後天性表皮水疱症
,
Ⅶ型コラーゲン
,
アザチオプリン
pp.1346-1350
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004103
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65歳,男性。初診1カ月前から体幹,四肢に水疱,びらんが出現した。口腔粘膜にもびらんを認めた。病理組織学的に表皮下水疱を認めたが,抗BP180抗体は陰性であった。1M食塩水剝離皮膚を用いた蛍光抗体間接法で真皮側にIgGの沈着を認め,免疫ブロット法で290kDaのⅦ型コラーゲンに対する自己抗体を検出し,後天性表皮水疱症と診断した。コルヒチンおよびステロイド内服で加療するも一進一退であったが,アザチオプリンを併用することで水疱新生がみられなくなった。経過中,Ⅶ型コラーゲンのELISA法による抗体価と類天疱瘡重症度スコア(びらん/水疱)の動きは概ね一致していた。難治性の本症に対してアザチオプリンは考慮する価値のある治療法であると思われた。
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