Japanese
English
症例
帝王切開術後に発症し,壊死性軟部組織感染症と鑑別を要した壊疽性膿皮症の1例
Pyoderma gangrenosum after cesarean section requiring differentiation from necrotizing soft tissue infection
小田 充思
1
,
盛山 吉弘
1
,
遠藤 誠一
2
Atsushi ODA
1
,
Yoshihiro MORIYAMA
1
,
Seiichi ENDO
2
1総合病院土浦協同病院,皮膚科(主任:盛山吉弘部長)
2同,産婦人科
キーワード:
壊疽性膿皮症
,
壊死性軟部組織感染症
,
妊娠
,
帝王切開
Keyword:
壊疽性膿皮症
,
壊死性軟部組織感染症
,
妊娠
,
帝王切開
pp.643-647
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003908
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36歳,女性。切迫早産,周産期に不明熱の既往があった。第2子妊娠26週に発熱と腹痛があり,常位胎盤早期剝離の診断で帝王切開術を施行した。産後6日に創部周囲に紅斑が出現した。末梢血白血球数高値,CT検査で筋膜上と筋層に液体貯留とガス像を認めた。広域抗菌薬投与とデブリードマン術施行も改善なく,紫斑と潰瘍が拡大した。病理所見で表皮から脂肪織に密な好中球浸潤を認めた。細菌培養検査は陰性であった。産後15日にプレドニゾロン1mg/kg/日を投与,翌日に解熱し,産後114日で瘢痕治癒した。妊娠中や出産後に壊疽性膿皮症を発症した報告は本邦で28例ある。ときに壊死性軟部組織感染症と類似する。妊娠中や出産後に不明熱や潰瘍を認めた場合,感染症として加療しつつ本症を念頭に置かなくてはならない。
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