特集 病態から考える薬物療法
第Ⅲ章 紅斑症・好中球関連皮膚疾患
5 壊疽性膿皮症
山中 恵一
1
Keiichi YAMANAKA
1
1三重大学医学部,皮膚科学教室
キーワード:
壊疽性膿皮症
,
炎症性腸疾患
,
サイトカイン
,
TNF-α
Keyword:
壊疽性膿皮症
,
炎症性腸疾患
,
サイトカイン
,
TNF-α
pp.684-688
発行日 2022年4月20日
Published Date 2022/4/20
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003249
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壊疽性膿皮症(pyoderma gangrenosum,以下PG)は,壊疽性・増殖性の深い蚕食性潰瘍が下腿伸側や体幹などに単発もしくは複数生じ,長期間にわたり経過し再燃する疾患である。活性化好中球が発症機序として重要な役割を果たす非感染性の炎症性好中球性皮膚疾患に分類される。病態は多因子性であり,典型例以外は診断が容易でない場合も多く,感染症,新生物,血栓症,その他の炎症性疾患を除外して臨床的に診断されることも多い。PGは一般に20~50歳の間に多く発症し,女性に多くみられ,年間100万人あたり3~10例の発症率と推定される比較的まれな疾患であり1),半数以上は基礎疾患を有する患者にみられるため,治療や診断において他科との連携を行う症例も多い。
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