Japanese
English
症例
壊疽性膿皮症との鑑別を要した成人T細胞白血病/リンパ腫の1例
Adult T-cell leukemia/lymphoma distinguished from pyoderma gangrenosum
阿部 史華
1
,
鎌田 麻子
1
,
濵田 茉里奈
1
,
松江 亮範
1
,
新崎 人士
2
Fumika ABE
1
,
Asako KAMADA
1
,
Marina HAMADA
1
,
Akinori MATSUE
1
,
Hitoshi SHINZAKI
2
1砂川市立病院,皮膚科(主任:鎌田麻子室長)
2同,血液内科
キーワード:
成人T細胞白血病/リンパ腫
,
壊疽性膿皮症
Keyword:
成人T細胞白血病/リンパ腫
,
壊疽性膿皮症
pp.1329-1331
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000005393
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72歳,女性。1週間前より左胸部に紅斑,膿疱が出現,急速に拡大して皮膚潰瘍を形成し,当科を初診した。末梢血でヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)陽性とflower cellを認め,血液疾患を背景とした壊疽性膿皮症を第一に疑いプレドニゾロンの内服治療を開始した。経過中に皮膚組織のサザンブロット法でHTLV-1ウイルスのモノクローナルな取り込みを認め,血液内科と再度協議した結果,特異疹を伴う成人T細胞白血病/リンパ腫と診断し,局所の皮膚症状に対して現行治療を継続する方針となった。潰瘍は順調に上皮化し,治療開始から約1年でプレドニゾロンの内服は終了となった。臨床像が壊疽性膿皮症と酷似していたため,診断に難渋した症例であった。

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