Japanese
English
症例
ADAR1遺伝子に変異が同定された遺伝性対側性色素異常症の1家系
A family with dyschromatosis symmetrica hereditaria due to ADAR1 gene mutation
遠藤 瑠璃子
1
,
髙向 梨沙
1
,
神﨑 美玲
1
,
齊藤 亨
2
,
岡村 賢
2
,
鈴木 民夫
2
,
五十嵐 徹
3
Ruriko ENDO
1
,
Risa TAKAMUKI
1
,
Mirei KANZAKI
1
,
Toru SAITO
2
,
Ken OKAMURA
2
,
Tamio SUZUKI
2
,
Toru IGARASHI
3
1水戸済生会総合病院,皮膚科(主任:神﨑美玲主任部長)
2山形大学医学部附属病院,皮膚科
3茨城県立こども病院,小児腎臓内科
キーワード:
遺伝性対側性色素異常症
,
色素異常症
,
常染色体優性遺伝
,
ADAR1遺伝子
,
遺伝子解析
Keyword:
遺伝性対側性色素異常症
,
色素異常症
,
常染色体優性遺伝
,
ADAR1遺伝子
,
遺伝子解析
pp.411-415
発行日 2022年3月1日
Published Date 2022/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003162
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発端者は7歳,男児。左多囊胞性異形成腎の既往があった。1歳頃から顔面に雀卵斑様の色素斑が出現し,次第に手背や足背に点状の色素斑と脱色素斑が多発した。体幹に皮疹はなく,光線過敏症や神経症状の合併はなかった。家族歴は,母方祖父(すでに他界),母(27歳),異父弟(3歳)をはじめ,4世代にわたり少なくとも6名が同様の皮疹を示していた。遺伝子解析の結果,発端者,母,異父弟の3名はADAR1遺伝子にc.2679T>A(p.Cys893Ter)変異が同定され,遺伝性対側性色素異常症と診断した。遺伝性対側性色素異常症は,臨床的に他の色素異常症や色素性乾皮症などとの鑑別がしばしば困難であるため,確定診断のためには遺伝子解析が有用である。
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