Japanese
English
特集 水疱症・膿疱症
統合失調症に合併した抗ラミニンγ1類天疱瘡の1例
Anti-Laminin γ1 Pemphigoid Associated with Schizophrenia
野々垣 香織
1
,
植木 理恵
1
,
温井 勇希
1
,
長谷川 舞
1
,
扇谷 咲子
1
,
石井 文人
2
,
橋本 隆
3
Kaori NONOGAKI
1
,
Rie UEKI
1
,
Yuki NUKUI
1
,
Mai HASEGAWA
1
,
Sakiko OHGIYA
1
,
Norito ISHII
2
,
Takashi HASHIMOTO
3
1順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター,皮膚科(主任:植木理恵教授)
2久留米大学医学部,皮膚科学教室
3大阪市立大学大学院医学研究科,皮膚病態学
キーワード:
抗ラミニンγ1類天疱瘡
,
抗p200類天疱瘡
,
統合失調症
Keyword:
抗ラミニンγ1類天疱瘡
,
抗p200類天疱瘡
,
統合失調症
pp.144-148
発行日 2020年2月1日
Published Date 2020/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001790
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
70歳,男性。統合失調症の既往あり。1カ月前より水疱が生じ拡大したため当科を紹介受診した。初診時,四肢を中心に弛緩性水疱とびらんが多発していた。病理組織学的に表皮下水疱と好中球主体の炎症細胞浸潤があり,蛍光抗体直接法で基底膜部にIgG,C3沈着,1M食塩水剝離皮膚を基質とした蛍光抗体間接法で真皮側に反応性がみられた。ヒト真皮抽出液の免疫ブロット法で患者血清のIgGは200kDa蛋白に反応した。以上より抗ラミニンγ1類天疱瘡と診断,ステロイド全身投与で皮疹は消退した。国内外の抗ラミニンγ1類天疱瘡91例の合併症や予後に関して検討した。水疱性類天疱瘡では神経疾患の合併が多いとされるが,抗ラミニンγ1類天疱瘡ではその傾向はみられなかった。
Copyright © 2020, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.