Japanese
English
症例報告
抗ラミニンγ1類天疱瘡の1例
A case of anti-laminin γ1 pemphigoid
堤 美穂
1
,
峠岡 理沙
1
,
中川 有夏
1
,
上田 有希子
1
,
張 財源
1
,
益田 浩司
1
,
加藤 則人
1
,
立石 千晴
2
,
鶴田 大輔
2
,
橋本 隆
3
Miho TSUTSUMI
1
,
Risa MINEOKA
1
,
Yuka NAKAGAWA
1
,
Yukiko UEDA
1
,
Cho ZAIGEN
1
,
Koji MASUDA
1
,
Norito KATOH
1
,
Chiharu TATEISHI
2
,
Daisuke TSURUTA
2
,
Takashi HASHIMOTO
3
1京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚科学
2大阪市立大学大学院医学研究科皮膚病態学
3久留米大学皮膚細胞生物学研究所
1Department of Dermatology, Kyoto Prefectural University of Medicine, Graduate School of Medical Science, Kyoto, Japan
2Department of Dermatology, Osaka City University, Osaka, Japan
3Kurume University Institute of Cutaneous Cell Biology, Kurume, Japan
キーワード:
抗ラミニンγ1類天疱瘡
,
抗p200類天疱瘡
,
水疱性類天疱瘡
,
緊満性水疱
Keyword:
抗ラミニンγ1類天疱瘡
,
抗p200類天疱瘡
,
水疱性類天疱瘡
,
緊満性水疱
pp.37-42
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204968
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要約 65歳,男性.初診4日前から発熱および顔面の緊満性水疱と口腔内のびらんが出現し,全身に水疱が拡大したため,当科を受診した.血液検査で抗デスモグレイン1抗体,抗デスモグレイン3抗体,抗BP180抗体は陰性.病理組織学的所見では表皮下水疱があり,表皮真皮境界部に好中球主体の浸潤があった.蛍光抗体直接法で真皮表皮境界部にIgGとC3が沈着し,蛍光抗体間接法でIgG抗表皮基底膜部抗体が陽性,1M食塩水剝離皮膚を基質とした蛍光抗体間接法で真皮側に反応した.真皮抽出液を用いた免疫ブロット法では患者血清のIgGは200kDaラミニンγ1に反応した.以上より抗ラミニンγ1類天疱瘡と診断した.ステロイド全身投与を行い,速やかに皮疹が消失し再燃を認めなかった.本疾患では自験例のように重篤な粘膜疹を合併する場合があることに留意する必要がある.
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