Japanese
English
症例
両下腿の紫斑を契機に診断された多発性骨髄腫の1例
Multiple myeloma diagnosed after the appearance of purpura on the lower legs
平岡 美樹子
1
,
沼尻 宏子
1
,
今門 純久
1
Mikiko HIRAOKA
1
,
Hiroko NUMAJIRI
1
,
Sumihisa IMAKADO
1
1日本赤十字社医療センター,皮膚科(主任:今門純久部長)
キーワード:
紫斑
,
多発性骨髄腫
,
高ガンマグロブリン血症性紫斑
,
M蛋白
Keyword:
紫斑
,
多発性骨髄腫
,
高ガンマグロブリン血症性紫斑
,
M蛋白
pp.216-218
発行日 2021年2月1日
Published Date 2021/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002396
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83歳,女性。3カ月前より両下腿に紫斑が出現した。病理組織像で明らかな血管炎はなく,血管周囲の炎症細胞浸潤および赤血球の血管外漏出,血管内の好酸性物質貯留を認めた。各種検査よりIgG-κ型の多発性骨髄腫と診断した。アミロイドーシス,クリオグロブリン血症,特発性血小板減少症の合併はなかった。多発性骨髄腫に対する化学療法により経過は良好である。本邦における多発性骨髄腫により生じた紫斑の症例報告では,過去35年42例のうち,アミロイドーシスによるものが23例と最多で,自験例のように免疫グロブリン高値に伴う血管塞栓により紫斑を生じた報告は4例と比較的まれであった。
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