Japanese
English
症例
脾破裂により死亡した頭部血管肉腫の1剖検例
An Autopsy Case of the Fatal Splenic Rupture in Angiosarcoma of the Scalp
水野 結花
1
,
三浦 俊介
1
,
遠山 聡
1
,
尾松 淳
1
,
宍戸 菜穂美
1
,
山田 大資
1
,
近藤 篤史
2
,
種井 善一
2
,
森川 鉄平
2
,
佐藤 伸一
1
Yuka MIZUNO
1
,
Shunsuke MIURA
1
,
Satoshi TOYAMA
1
,
Jun OMATSU
1
,
Naomi SHISHIDO
1
,
Daisuke YAMADA
1
,
Atsushi KONDO
2
,
Zenichi TANEI
2
,
Teppei MORIKAWA
2
,
Shinichi SATO
1
1東京大学医学部附属病院,皮膚科(主任:佐藤伸一教授)
2同,病理部
キーワード:
血管肉腫
,
脾破裂
,
多発転移
,
病理解剖
Keyword:
血管肉腫
,
脾破裂
,
多発転移
,
病理解剖
pp.361-364
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001851
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68歳,男性。糖尿病性腎症で透析中。頭部血管肉腫に対して放射線療法,化学療法,免疫療法,外科的切除を組み合わせた集学的治療を行うも,肺,肝臓,脾臓に多発転移が出現した。透析中に血圧低下と貧血の進行があり,またCTで血性腹水がみられた。放射線治療を計画したが治療前に再度急激な血圧低下と背部痛をきたし死亡した。病理解剖で,原発巣周囲の皮膚再発のほか,肝臓,肺,脾臓に血管肉腫の転移が確認された。脾転移の被膜破綻と1800mlの血性腹水を認め,出血性ショックが直接の死因と判明した。皮膚原発血管肉腫の脾転移はまれであるが,脾転移がある場合は脾破裂の可能性を念頭に置き治療する必要がある。
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