Japanese
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特集 悪性上皮系腫瘍
急性リンパ性白血病に対する頭蓋放射線照射後に生じた基底細胞癌の1例
Basal cell carcinoma appearing after cranial irradiation for acute lymphocytic leukemia
大熊 香織
1
,
尾松 淳
1
,
久住 藍
1
,
大垣 淳
1
,
宍戸 奈穂美
1
,
遠山 哲夫
1
,
山田 大資
1
,
佐藤 伸一
1
Kaori OHKUMA
1
,
Jun OMATSU
1
,
Ai KUZUMI
1
,
Jun OGAKI
1
,
Naomi SHISHIDO
1
,
Tetsuo TOYAMA
1
,
Daisuke YAMADA
1
,
Shinichi SATO
1
1東京大学医学部附属病院,皮膚科(主任:佐藤伸一教授)
キーワード:
基底細胞癌
,
急性リンパ性白血病
,
放射線照射
Keyword:
基底細胞癌
,
急性リンパ性白血病
,
放射線照射
pp.507-510
発行日 2022年4月1日
Published Date 2022/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003198
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49歳,女性。17歳時,急性リンパ性白血病に対して多剤併用化学療法,頭蓋放射線療法(24Gy/12fr)を施行された。12年後の29歳時に前頭部に黒色斑が出現した。黒色斑周囲の頭部は疎毛となっており,軽度の皮膚萎縮がみられた。皮膚生検を行い,慢性放射線皮膚炎に生じた基底細胞癌と診断した。近年,放射線照射後に基底細胞癌が生じる報告が多く,放射線照射から基底細胞癌発生までの平均潜伏期間は38.2年である。一方,急性リンパ性白血病の頭部放射線照射後に生じた基底細胞癌の平均潜伏期間は11.6年であり,発生時の平均年齢は20.0歳と若年である。小児期に悪性腫瘍に対して放射線照射を行った場合,若年期に皮膚悪性腫瘍が発生する可能性を念頭に置く必要がある。
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