Japanese
English
症例
有機リン系農薬の自己注入により広範な軟部組織壊死をきたした1例
Soft Tissue Necrosis Caused by Self-injected Fenitrothion
坂元 陽美
1
,
吉崎 麻子
1
,
田村 萌
1
,
黒田 明日香
1
,
水野 結花
1
,
遠山 聡
1
,
尾松 淳
1
,
三浦 俊介
1
,
赤股 要
1
,
佐藤 伸一
1
Minami SAKAMOTO
1
,
Asako YOSHIZAKI
1
,
Moe TAMURA
1
,
Asuka KURODA
1
,
Yuka MIZUNO
1
,
Satoshi TOYAMA
1
,
Jun OMATSU
1
,
Shunsuke MIURA
1
,
Kaname AKAMATA
1
,
Shinichi SATO
1
1東京大学医学部附属病院,皮膚科(主任:佐藤伸一教授)
キーワード:
有機リン
,
皮下注入
,
自己注入
,
軟部組織壊死
Keyword:
有機リン
,
皮下注入
,
自己注入
,
軟部組織壊死
pp.1899-1903
発行日 2018年11月1日
Published Date 2018/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001084
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54歳,男性。うつ病の既往があり希死念慮から有機リン系農薬(スミチオン®)を皮下注入した。翌日,当院へ救急搬送され,左前腕の注射痕を中心に発赤・腫脹・圧痛がみられた。第19病日頃より患部に波動を触れるようになり,切開すると皮下脂肪組織を中心とした壊死がみられ,CTでも皮下脂肪組織から筋膜に液体貯留と変性像が確認された。デブリードマン,陰圧閉鎖療法,外用治療を行い上皮化した。治療経過中,コリンエステラーゼ値の低下はみられたが,有機リンによる中毒症状はなかった。有機リンの皮下注入例は遅発性に中毒症状をおこすこともあるため,早期に画像的な評価を行い切開を行うことが,致死的な全身症状の予防に重要と思われた。
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