膠原線維の肥厚増生と弾性線維の断裂がみられ，神経支配領域に沿って認められた片側性母斑性毛細血管拡張症の1例

Unilateral Nevoid Telangiectasia Distributed Along Cutaneous Innervation Showing Hyperplasia of Collagen Fibers and Rupture of Elastic Fibers

54歳，男性。51歳頃より右胸部から背部にかけて皮疹を自覚していた。受診時，右胸部，側胸部，背部のTh4～6領域に境界不明瞭な不整形の毛細血管拡張を認めた。病理学的所見にて片側性母斑性毛細血管拡張症の特徴に加え，膠原線維の肥厚増生と弾性線維の断裂がみられた。これらの特徴を併せもった症例は過去の報告がなくまれと思われた。膠原線維の肥厚増生と弾性線維の断裂を生じた理由，皮膚モザイク病の発生機序，さらに今後の治療の展望について考察した。