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特集 薬疹・薬物障害
高齢発症した中毒性表皮壊死症の1例
-―当科の高齢発症中毒性表皮壊死症患者の検討―
Toxic Epidermal Necrolysis of Elderly Patients―Analysis of Experienced Cases in Yokohama City University Hospital
髙橋 沙希
1
,
渡邉 裕子
1
,
浅井 知佳
1
,
石川 秀幸
1
,
髙村 直子
1
,
相原 道子
1
Saki TAKAHASHI
1
,
Yuko WATANABE
1
,
Chika ASAI
1
,
Hideyuki ISHIKAWA
1
,
Naoko TAKAMURA
1
,
Michiko AIHARA
1
1横浜市立大学医学部,皮膚科(主任:相原道子教授)
キーワード:
中毒性表皮壊死症
,
高齢者
,
敗血症
,
免疫グロブリン大量静注療法
Keyword:
中毒性表皮壊死症
,
高齢者
,
敗血症
,
免疫グロブリン大量静注療法
pp.270-275
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001828
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90歳,女性。高血圧,胸部大動脈瘤で降圧薬と抗血小板薬を内服していた。初診時,体表面積50%のびらんがあり,中毒性表皮壊死症(TEN)と診断した。高用量ステロイドの全身投与を開始したが,びらんが拡大したため免疫グロブリン大量静注療法を追加し,治癒した。その後再発を認め,皮疹は改善したが,原疾患の大動脈瘤破裂で死亡した。高齢発症のTENの臨床的特徴を調べるため,当科で過去19年間に経験したTEN 25例について検討した。70歳以上の高齢者では,70歳未満と比較し受診が遅れる傾向があり,またTEN治療中の感染症・敗血症のリスクが有意に高いことがわかった。高齢発症例ではより慎重な治療選択が重要と考えられた。
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