Japanese
English
症例報告
集学的治療により後遺症を残さず治癒した中毒性表皮壊死症の1例
A case of toxic epidermal necrolysis successfully treated with intravenous steroid pulse therapy, plasma exchange and IVIG
鹿毛 勇太
1
,
磯田 祐士
1
,
大川 智子
1
,
渡邉 裕子
1
,
金岡 美和
1
,
相原 道子
1
Yuta KAGE
1
,
Yuji ISODA
1
,
Tomoko OKAWA
1
,
Yuko WATANABE
1
,
Miwa KANAOKA
1
,
Michiko AIHARA
1
1横浜市立大学医学部皮膚科
1Department of Dermatology, Yokohama City University, School of medicine, Yokohama, Japan
キーワード:
中毒性表皮壊死症
,
血漿交換療法
,
大量免疫グロブリン静注療法
Keyword:
中毒性表皮壊死症
,
血漿交換療法
,
大量免疫グロブリン静注療法
pp.31-35
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204967
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要約 70歳,男性.右上顎洞悪性黒色腫術後に全身の紅斑が出現した.皮疹出現より4日目に発熱と皮疹が急速に増悪し,Stevens-Johnson症候群と診断した.被疑薬はすべて中止し,ベタメタゾン8mg/日の点滴を開始し,翌日よりステロイドパルス療法を施行したが病勢が進行し,表皮剝離が進行したため,中毒性表皮壊死症(toxic epidermal necrolysis:TEN)と診断した.集中治療室に転棟し,全身処置を行いながら血漿交換療法,大量免疫グロブリン静注療法を併用した.最大表皮剝離面積は80%に及んだが,16日目より皮疹の改善がみられ,32日目には完全に上皮化し,後遺症を残さず治癒した.TENの急速進行期では,各種の免疫調整効果を組み合わせた治療が有効であると考えた.
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