Japanese
English
症例報告
ペムブロリズマブ使用中に発症した中毒性表皮壊死症の1例
A case of toxic epidermal necrolysis following treatment with pembrolizumab
平田 佳子
1
,
清水 智子
2
,
小栗 知世
3
,
大木 宏一
4
,
木村 佳史
1
Yoshiko HIRATA
1
,
Satoko SHIMIZU
2
,
Tomoyo OGURI
3
,
Koichi OKI
4
,
Yoshifumi KIMURA
1
1東京都済生会中央病院皮膚科
2東京都済生会中央病院
3東京都済生会中央病院呼吸器内科
4東京都済生会中央病院脳神経内科
1Division of Dermatology, Tokyo Saiseikai Central Hospital, Tokyo, Japan
2Tokyo Saiseikai Central Hospital, Tokyo, Japan
3Division of Respiratory Medicine, Tokyo Saiseikai Central Hospital, Tokyo, Japan
4Division of Neurology, Tokyo Saiseikai Central Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
抗PD-1抗体阻害薬
,
免疫関連有害事象
,
薬疹
,
中毒性表皮壊死症
,
免疫グロブリン大量静注療法
Keyword:
抗PD-1抗体阻害薬
,
免疫関連有害事象
,
薬疹
,
中毒性表皮壊死症
,
免疫グロブリン大量静注療法
pp.311-316
発行日 2020年4月1日
Published Date 2020/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205986
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要約 75歳,男性.肺腺癌Stage Ⅳに対するペムブロリズマブ初回投与3週間後に,免疫関連有害事象(immune-related adverse events:irAE)としてのGuillain-Barré症候群のため当院内科に入院した.プレドニゾロン60mg/日が開始され,入院9日目に皮疹が出現し,当科に紹介された.体幹に暗赤色の紅斑,丘疹が散在し,左腰腹部で皮疹が密に集簇し,irAEの皮膚障害や鑑別に他剤での薬疹も疑った.神経症状に対するステロイドパルス療法が開始されたが入院16日目に体表面積当たり10%のびらんが出現し,皮膚生検で表皮の広範な角化細胞壊死を認め,中毒性表皮壊死症と診断.入院19日目より免疫グロブリン大量静注療法の併用で皮膚症状は改善し,入院42日目にびらんは上皮化した.irAEの皮膚障害と他の薬剤による中毒性表皮壊死症には共通した病態があり,両者の鑑別は困難である.irAEのリスクがある患者に皮疹が出現した場合,特に病初期では急激な病勢増悪がないか慎重に評価し,迅速な重症度に応じた治療介入が必要である.
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