Japanese
English
症例報告
悪性リンパ腫の経過中に中毒性表皮壊死症を発症した1例
A case of toxic epidermal necrolysis(TEN)during the course of malignant lymphoma
古川 真衣子
1
,
角田 加奈子
1
,
佐藤 友利
1
,
荒川 伸之
1
,
中川 倫代
1
,
大西 正純
1
,
佐々木 了政
2
,
天野 博雄
1
Maiko FURUKAWA
1
,
Kanako TSUNODA
1
,
Yuri SATO
1
,
Nobuyuki ARAKAWA
1
,
Michiyo NAKAGAWA
1
,
Masazumi ONISHI
1
,
Ryosei SASAKI
2
,
Hiroo AMANO
1
1岩手医科大学医学部皮膚科学教室
2岩手医科大学医学部内科学講座血液腫瘍内科分野
1Department of Dermatology, Iwate Medical University School of Medicine, Iwate, Japan
2Hematology and Oncology, Department of Internal Medicine, Iwate Medical University School of Medicine, Iwate, Japan
キーワード:
中毒性表皮壊死症
,
免疫グロブリン大量静注療法
,
アセトアミノフェン
,
悪性リンパ腫
Keyword:
中毒性表皮壊死症
,
免疫グロブリン大量静注療法
,
アセトアミノフェン
,
悪性リンパ腫
pp.13-18
発行日 2024年1月1日
Published Date 2024/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207178
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要約 63歳,男性.悪性リンパ腫に対し,化学療法予定であったが,38 ℃台の発熱が持続していたためアセトアミノフェンを内服した.内服翌日より,発熱とともに全身に紅斑とびらんが出現したため,当院に搬送された.当院受診時,体表の約90%の皮膚の表皮剥離と粘膜疹がみられた.病理組織像では表皮下水疱と個細胞壊死を認めた.薬剤リンパ球刺激試験でアセトアミノフェンが陽性であり,アセトアミノフェンによる中毒性表皮壊死症(toxic epidermal necrolysis : TEN)と診断した.ステロイドパルス療法と2度の免疫グロブリン大量静注療法により皮疹は発症35日目に上皮化したが,悪性リンパ腫の急速な進行により死亡した.担癌患者は,易感染性などの点から通常のTENに比べて予後不良である.TENの治療を優先することで原疾患が進行するリスクを十分説明した上で,感染症の合併に注意しながら治療を行っていく必要がある.
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