Japanese
English
症例報告
血漿交換療法と大量免疫グロブリン療法の併用が有効であった難治性水疱性類天疱瘡
Severe bullous pemphigoid successfully treated with the combination of double filtration plasmapheresis and intravenous high-dose immunoglobulin
磯貝 理恵子
1
,
西崎 絵理奈
1
,
大原 裕士郎
1
,
細本 宜志
1
,
山本 容子
1
,
吉岡 希
1
,
山田 秀和
1
,
丹正 幸佑
2
,
美馬 晶
2
Rieko ISOGAI
1
,
Erina NISHIZAKI
1
,
Yushiro OHARA
1
,
Takashi HOSOMOTO
1
,
Youko YAMAMOTO
1
,
Nozomi YOSHIOKA
1
,
Hidekazu YAMADA
1
,
Kousuke TANSHO
2
,
Akira MIWA
2
1近畿大学医学部奈良病院皮膚科
2近畿大学医学部奈良病院腎臓内科
1Department of Dermatology, Kindai University Nara Hospital, Ikoma, Japan
2Department of Nephrology, Kindai University Nara Hospital, Ikoma, Japan
キーワード:
水疱性類天疱瘡
,
免疫グロブリン大量静注療法
,
二重濾過血漿交換療法
,
術後発症
Keyword:
水疱性類天疱瘡
,
免疫グロブリン大量静注療法
,
二重濾過血漿交換療法
,
術後発症
pp.227-232
発行日 2019年3月1日
Published Date 2019/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205657
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要約 83歳,男性.鼠径ヘルニア陥頓によるS状結腸壊死にてストマ造設術を受け,6か月後に人工肛門閉鎖術を行った.術後31日目に右前腕に水疱とびらんが出現した.蛍光抗体直接法で基底膜部にIgG,C3の沈着があり,抗BP 180抗体が陽性であり,手術を契機に発症した水疱性類天疱瘡と診断した.ステロイド内服・ミニパルス療法・免疫抑制剤・大量免疫グロブリン療法(intravenous immunoglobulin:IVIG)を行うも抗体価が上昇し,紅斑・水疱が新生し続けたため,二重濾過血漿交換(double filtration plasmapheresis:DFPP)を7回行った.さらに症状再燃抑制のためIVIGを追加投与し,良好な結果が得られた.自験例では抗体が上昇し続けたにもかかわらず,DFPPの導入が皮疹出現から23週後になった.治療に伴う致命的な合併症の予防には,特に高齢者では,速やかに寛解状態にする必要がある.難治性の水疱性類天疱瘡に対してはDFPPを早期に積極的に導入すべきであった.
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