展望
サルコイドーシスとリポイド類壊死症
岡本 祐之
1
1関西医科大学皮膚科学教室
キーワード:
サルコイドーシス
,
リポイド類壊死症
,
類上皮細胞肉芽腫
,
柵状肉芽腫
,
好発部位
Keyword:
サルコイドーシス
,
リポイド類壊死症
,
類上皮細胞肉芽腫
,
柵状肉芽腫
,
好発部位
pp.758-765
発行日 2018年8月1日
Published Date 2018/8/1
DOI https://doi.org/10.24733/pd.0000000177
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肉芽腫は組織に存在する外因性,内因性物質に対して単球・マクロファージ系細胞が反応して形成される.肉芽腫起因物質が一部の臓器に限局することもあれば全身に存在することもあり,また,その物質は感染性のことも非感染性のこともある.非感染性の皮膚限局型肉芽腫症として環状肉芽腫やリポイド類壊死症,異物肉芽腫などがあり,全身性肉芽腫症ではサルコイドーシスが代表的疾患である.これらの非感染性肉芽腫症に対して,真菌や抗酸菌などによる感染性の皮膚肉芽腫症もしばしば経験する.また,1つの肉芽腫性疾患でも,肉芽腫起因物質の質的・量的違いや生体の免疫反応の違いにより臨床像は大きく異なる.たとえばHansen病を例にとると,菌量と細胞性免疫の状態により,知覚障害を伴い病理組織学的にらい細胞が出現するらい腫型から,神経症状を伴わず類上皮細胞が出現する類結核型までさまざまな臨床像を呈する.(「はじめに」より)
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