神経線維腫症1型患者の正中神経に生じたNodular Plexiform Neurofibromaの1例

Nodular Plexiform Neurofibroma Arising from the Median Nerve of a Patient with Neurofibromatosis Type 1

23歳，神経線維腫症1型の女性。3カ月前より生じ，徐々に増大した右上腕の皮下腫瘤を主訴に当科を受診した。MRIで正中神経に接する2個の腫瘤を認め，臨床経過および症状より悪性末梢神経鞘腫瘍が疑われた。病理組織学的には粘液線維基質を背景にS-100蛋白強陽性の紡錘形細胞の増生を認め，明らかな異型や核分裂像は認めなかった。MIB-1の陽性率は1％程度であり，両者ともにnodular plexiform neurofibromaと診断した。Nodular plexiform neurofibromaが正中神経に生じた例は非常にまれであり，診断のためには組織学的検索が重要であると考えた。