分類不能型免疫不全症を背景に，伝染性軟属腫が多発し，ウイルス性疣贅を全身に生じたGeneralized Verrucosisの1例

Generalized Verrucosis and Molluscum Contagiosum Associated with Common Variable Immunodeficiency

36歳，男性。既往歴に繰り返す肺炎，ぶどう膜炎，副鼻腔気管支症候群，悪性リンパ腫がある。分類不能型免疫不全症，T細胞機能不全のため，免疫グロブリン大量静注療法を施行中であった。前胸部に多発する癜風様の褐色斑と，手指の尋常性疣贅，背部・側腹部に伝染性軟属腫を認めた。胸部褐色斑の生検組織では顆粒層に粗いケラトヒアリン顆粒をもつ角化細胞があり，ヒト乳頭腫ウイルス（HPV）抗原陽性であった。EVER1/2遺伝子変異なし。先天性の免疫不全に伴う易感染性により伝染性軟属腫ウイルス感染とHPV感染を生じた。古典的な疣贅状表皮発育異常症や後天性疣贅状表皮発育異常症とは概念が合致しないことから，generalized verrucosisとして報告した。