Japanese
English
症例
TNF-α阻害薬により多彩な皮膚症状を呈したクローン病の1例
Crohn’s Disease with Various Skin Eruptions Due to TNF-α Inhibitors
伊藤 満
1
,
水谷 陽子
1
,
荒木 寛司
2
,
清島 真理子
1
Mitsuru ITO
1
,
Yoko MIZUTANI
1
,
Kanji ARAKI
2
,
Mariko SEISHIMA
1
1岐阜大学,皮膚科(主任:清島真理子教授)
2同,消化器内科
キーワード:
TNF-α阻害薬
,
クローン病
,
逆説的反応
,
薬疹
Keyword:
TNF-α阻害薬
,
クローン病
,
逆説的反応
,
薬疹
pp.2015-2018
発行日 2018年12月1日
Published Date 2018/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001121
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21歳,女性。クローン病に対しアダリムマブ(ADA)が開始されたが無効のため,インフリキシマブ(IFX)に変更された。2カ月後から頭部に鱗屑を伴う紅斑が出現した。体幹にも紅斑,頭頸部に紅色丘疹,膿疱が多発するようになった。丘疹の病理組織は毛包を中心としたリンパ球,好中球,好酸球浸潤の所見であった。IFXによる皮疹を考えADAに再び変更した。半年間は悪化なく小康状態であったが,その後頸部の紅色丘疹の再燃,掌蹠に鱗屑を伴う紅斑や小膿疱を伴った。ADA中止により皮疹は消退し,ウステキヌマブを開始後も皮疹の出現はない。TNF-α阻害薬により多彩な皮疹が出現すること,過去に皮疹が出現しなかった症例でも再投与時に出現する可能性があることに注意が必要である。
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