症例
低用量シクロスポリン投与が奏効したTNF-α阻害薬による逆説的反応を生じたCrohn病の2例
澁谷 貴史
1
,
本間 大
1
,
山本 明美
1
,
高橋 英俊
2
1旭川医科大学,皮膚科学講座(主任:山本明美教授)
2高木皮膚科診療所,帯広市ß
キーワード:
乾癬
,
TNF-α阻害薬
,
逆説的反応
,
低用量シクロスポリン
Keyword:
乾癬
,
TNF-α阻害薬
,
逆説的反応
,
低用量シクロスポリン
pp.1559-1562
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000204
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例1:28歳,女性。Crohn病に対してインフリキシマブを投与中,頭部および腹部ストマ周囲に難治性の紅斑性皮疹が出現し,薬剤の中止および低用量シクロスポリン内服で改善した。アダリムマブに変更後,同様の皮疹が出現したが,低用量シクロスポリン内服で皮疹は軽快し,以後アダリムマブは中止することなく継続可能であった。症例2:41歳,男性。Crohn病に対してインフリキシマブを投与中に頭部および腹部ストマ周囲に難治性紅斑性皮疹が出現し,低用量シクロスポリン内服で改善し,以後インフリキシマブ投与を継続できた。抗TNF製剤による難治性の逆説的反応に対する短期間の低用量シクロスポリン内服療法は,原疾患に対する治療を中止することなく,皮疹のコントロールが可能で,有用な治療法と考えられた。
Copyright © 2017, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.