Japanese
English
症例報告
Crohn病に対するTNF-α阻害薬投与中に生じた難治性陰部乾癬様皮疹の女性例
A recalcitrant case of genital psoriasiform eruption induced by anti-TNF-α therapy in a female patient with Crohn disease
有馬 由美
1
,
高野 裕子
1
,
安部 文人
1
,
三津山 信治
1
,
木村 雅明
1
,
吉田 正己
1
,
樋口 哲也
1
Yumi ARIMA
1
,
Yuko TAKANO
1
,
Humito ABE
1
,
Shinji MITSUYAMA
1
,
Masaaki KIMURA
1
,
Masami YOSHIDA
1
,
Tetsuya HIGUCHI
1
1東邦大学医療センター佐倉病院皮膚科
1Department of Dermatology, Toho University Sakura Medical Center, Sakura, Japan
キーワード:
TNF-α阻害薬
,
インフリキシマブ
,
アダリムマブ
,
陰部乾癬様皮疹
,
薬疹
,
Crohn病
Keyword:
TNF-α阻害薬
,
インフリキシマブ
,
アダリムマブ
,
陰部乾癬様皮疹
,
薬疹
,
Crohn病
pp.313-317
発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103939
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要約 43歳,女性.20か月前よりCrohn病に対してインフリキシマブ5mg/kgによる加療を開始した20か月後に外陰部に掻痒を伴う湿潤性紅斑が出現したため,当科を受診した.患者が診察に対して拒否的であったため診察が困難であり,各種外用薬を使用したが難治性であった.生検病理組織像にて,表皮突起の棍棒状の延長,不全角化,角質層での微小膿瘍の形成を認め,インフリキシマブにより誘発された乾癬様皮疹と診断した.ステロイドおよびビタミンD3製剤を外用したが難治性であったため,インフリキシマブを中止し,アザチオプリン50mg/日に変更したところ皮疹は改善した.その後,アダリムマブ40mgの隔週投与を開始したところ,14か月後に同様の皮疹が出現したため中止した.自験例のように,TNF-α阻害薬投与中に外陰部に限局して乾癬様皮疹が出現することは稀であるが,鑑別診断の1つとして念頭に置く必要がある.
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