Japanese
English
症例報告
TNF-α阻害薬による真性皮膚結核の1例
A case of cutaneous tuberculosis associated with a tumor necrosis factor α-neutralizing agent
浅野 祐介
1
,
狩野 葉子
1
,
塩原 哲夫
1
Yusuke ASANO
1
,
Yoko KANO
1
,
Tetsuo SHIOHARA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine, Mitaka, Tokyo, Japan
キーワード:
皮膚結核
,
TNF-α阻害薬
,
インフリキシマブ
Keyword:
皮膚結核
,
TNF-α阻害薬
,
インフリキシマブ
pp.1057-1060
発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101830
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要約 73歳,女性.関節リウマチ(RA)に対し,tumor necrosis factor (TNF)-α阻害薬を使用した.約3か月後より,38℃の発熱とともに左前腕に蜂窩織炎様の症状が出現した.その後,同部位の中央は自壊し,皮膚生検・抗酸菌培養・PCR検査により,皮膚結核と診断し,抗結核療法にて軽快した.TNF-α阻害薬は難治性のRAやCrohn病(CD)に対し非常に高い有効率を示し,使用頻度が増している薬剤である.一方,抗TNF-α阻害薬使用患者では結核の発症率が有意に高いことが指摘され,しかも自験例のように高熱や強い炎症症状を伴うなど,非典型的な症状を呈しやすい.今後TNF-α阻害薬使用患者が多くなるにつれて,非典型的な皮膚結核が増加していく可能性がある.
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