Japanese
English
症例報告
TNF-α阻害薬の中止を契機に発症したリウマチ性血管炎の1例
A case of rheumatoid vasculitis following discontinuation of TNF-α inhibitor
吉田 憲司
1
,
橋本 由起
1
,
窪田 綾子
2
,
石河 晃
1
Kenji YOSHIDA
1
,
Yuki HASHIMOTO
1
,
Ayako KUBOTA
2
,
Akira ISHIKO
1
1東邦大学医学部皮膚科学講座
2東邦大学医学部整形外科学講座
1Department of Dermatology, School of Medicine, Faculty of Medicine, Toho University, Tokyo, Japan
2Department of Orthopedic Surgery, School of Medicine, Faculty of Medicine, Toho University, Tokyo, Japan
キーワード:
関節リウマチ
,
リウマチ性血管炎
,
白血球破砕性血管炎
,
TNF-α阻害薬
,
CTLA4-Ig製剤
Keyword:
関節リウマチ
,
リウマチ性血管炎
,
白血球破砕性血管炎
,
TNF-α阻害薬
,
CTLA4-Ig製剤
pp.1021-1026
発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204614
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要約 71歳,女性.2001年に関節リウマチと診断され,2012年からTNF-α阻害薬(ゴリムマブ:GLM)皮下注を月に1回とプレドニゾロン5mg/日併用で治療されていた.左膝感染性滑液包炎のためGLMを中止したところ,関節リウマチの疾患活動性が高くなり,GLM最終投与日から約2.5か月後に両下腿・右前腕に血疱,膿疱,水疱を伴う紫斑が出現したため当科を受診した.RF 14IU/ml,MMP-3 840.5ng/mlと高値であった.皮膚病理組織像で白血球破砕性血管炎があり,血管壁にIgMとC3が沈着していたことからリウマチ性血管炎と診断した.CTLA4-Ig製剤皮下注とプレドニゾロン10mg/日で改善した.長い関節リウマチ罹病期間,強い関節破壊の存在,喫煙者というリスク要因を背景とし,GLMの中止による関節リウマチの疾患活動性が高まり,リウマチ性血管炎を発症したと考えた.CTLA4-Ig製剤皮下注は効果発現が緩徐であるが有効であり,併せて少量のステロイド併用が速やかな皮膚症状改善に有用であった.
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