Japanese
English
症例報告
TNF-α阻害薬使用中に増大傾向を示したeccrine porocarcinomaの1例
A case of eccrine porocarcinoma-possible involvement of an anti-TNF-α antibody in its pathogenesis
野口 佳恵
1
,
浅木 弘子
1
,
稲冨 徹
1
Kae NOGUCHI
1
,
Hiroko ASAKI
1
,
Toru INADOMI
1
1日本大学医学部付属練馬光が丘病院
1Department of Dermatology,Nihon University School of Medicine,Tokyo,Japan
キーワード:
TNF-α阻害薬
,
エクリン汗孔癌
,
関節リウマチ
Keyword:
TNF-α阻害薬
,
エクリン汗孔癌
,
関節リウマチ
pp.307-310
発行日 2010年4月1日
Published Date 2010/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102552
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要約 74歳,女性.関節リウマチに対し,初診3か月前からTNF-α阻害薬であるエンブレル®を投与中.5年前に左胸部に出現した米粒大皮疹が,2~3か月前から急速に増大.病理組織学的には,表皮内に好塩基性で異型性の著明な小型で類円形の細胞が乳頭状に増殖し,一部では管腔構造を形成.PAS,CEA,EMA陽性.これらの細胞間でS100蛋白陰性の明るい大型細胞が増殖して胞巣を形成しており,eccrine porocarcinomaと診断した.エンブレル®使用後に急速に増大した臨床経過から,TNF-α阻害薬が腫瘍細胞を増殖に導いた可能性がある.今後,乾癬などにTNF-α阻害薬を使用する際には,使用前に悪性腫瘍の有無を検索し,また使用中には悪性腫瘍の発生について留意する必要があると考えた.
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