特集 悪性黒色腫
播種性骨髄癌腫症を呈した悪性黒色腫の1 例
澤田 匡秀
1
,
澄川 靖之
1
,
佐藤 さゆり
1
,
菅 裕司
1
,
加藤 潤史
1
,
肥田 時征
1
,
山下 利春
1
,
橋本 亜香利
2
,
井山 諭
2
1札幌医科大学,皮膚科学講座(主任:宇原 久教授)
2同,腫瘍・血液内科
キーワード:
悪性黒色腫
,
骨髄癌腫症
,
播種性血管内凝固症候群
Keyword:
悪性黒色腫
,
骨髄癌腫症
,
播種性血管内凝固症候群
pp.1963-1966
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000391
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79 歳,女性。約2 年前から左第4 趾に黒色結節を自覚し,徐々に拡大したため当科を受診した。悪性黒色腫と診断し離断術とセンチネルリンパ節生検を施行した。センチネルリンパ節(左鼠径)に転移を認めたため,鼠径,外腸骨,閉鎖リンパ節郭清を施行した。術後3 年3 カ月で激しい腰痛が出現し,PET-CTで全身の骨に多数の異常集積像があり,骨髄生検でメラノーマ細胞を確認した。播種性血管内凝固症候群を合併しており,播種性骨髄癌腫症と診断した。化学療法を施行するも効果なく,入院から19 日後に永眠した。本症を呈した悪性黒色腫はまれであるが,これまでの報告例を検討したところ比較的若年の病気進行例に多い傾向があった。
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