特集 悪性黒色腫
胆囊転移を伴った左踵皮膚原発悪性黒色腫の1 例
中井 康雄
1
,
欠田 成人
1
,
尾本 陽一
1
,
山中 恵一
1
,
磯田 憲一
1
,
山﨑 直也
2
,
水谷 仁
1
1三重大学医学部附属病院,皮膚科(主任:水谷 仁教授)
2国立がん研究センター中央病院,皮膚腫瘍科
キーワード:
悪性黒色腫
,
転移性胆囊腫瘍
Keyword:
悪性黒色腫
,
転移性胆囊腫瘍
pp.1957-1961
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000390
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43 歳,女性。1 年前に左踵に黒色斑を自覚した。全切除生検で悪性黒色腫と診断された。初診時明らかな遠隔転移はなかった。局所拡大切除を施行し,センチネルリンパ節に転移がみられたため,所属リンパ節郭清を施行した。術後DAV-Feron 療法を5 コース施行し,以後はFeron 維持療法を継続した。術後1年のfollow up CT で胆囊腫瘤と肝占拠病変を指摘された。悪性黒色腫の転移と診断し,ダカルバジン単独療法を8 コース施行したが治療効果は得られず永眠した。悪性黒色腫は多彩な臓器に転移をきたす悪性腫瘍であるが,胆囊転移に関する報告は皮膚科領域では乏しい。効果的な薬物療法を生かすためには今後の転移検索に注意を払う対象と考えられた。
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