特集 悪性黒色腫
デブリードマンを繰り返された足底悪性黒色腫—センチネルリンパ節陰性であったが多臓器転移を生じた症例の転移様式の検討—
平川 麻衣子
1
,
吉野 公二
1
1がん・感染症センター都立駒込病院,皮膚科(主任:吉野公二医長)
キーワード:
悪性黒色腫
,
センチネルリンパ節転移陰性
Keyword:
悪性黒色腫
,
センチネルリンパ節転移陰性
pp.1967-1970
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000392
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71 歳,男性。2 年前より右踵に血豆様の黒色斑が出現した。近医を受診し,糖尿病足壊疽と診断されデブリードマンを繰り返されていた。生検の結果,悪性黒色腫と診断され,切除および有茎内側足底皮弁術を行った。センチネルリンパ節生検では膝窩,鼠径ともに転移はなかったが,術後7 カ月目肺転移が出現した。さらに多発脳転移が出現し,術後18 カ月目に死亡した。剖検所見は右膝窩,右鼠径,骨盤内リンパ節転移はなかったが,多臓器転移と左鼠径リンパ節転移を認めた。病変部へ度重なる外的侵襲が加えられた場合の予後をまとめた報告はみられないが,血行性転移を生じる大きなリスク因子となり得るため,注意が必要と考える。
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