臨床研究
特発性後天性全身性無汗症9 例の臨床的検討
高橋 仁美
1
,
澄川 靖之
1
,
菅 裕司
1
,
澤田 匡秀
1
,
山口 華央
1
,
佐藤 さゆり
1
,
加藤 潤史
1
,
宇原 久
1
,
山下 利春
1
1札幌医科大学,皮膚科学講座(主任:宇原 久教授)
キーワード:
無汗症
,
ステロイドパルス療法
Keyword:
無汗症
,
ステロイドパルス療法
pp.2001-2004
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000399
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2010 年1 月〜2016 年10 月に札幌医科大学皮膚科でステロイドパルス療法(メチルプレドニゾロン500 mg/日または1000 mg/日,3 日間点滴静注)を施行し,治療効果を評価し得た特発性後天性全身性無汗症患者9 例の,患者背景,病理組織像,病型,治療効果について検討した。9 例はいずれも男性で,発症年齢は21〜57 歳であった。9 例中6 例に何らかの効果が得られた。効果発現までのステロイドパルス療法施行回数は1〜26 回(中央値1),効果が得られた7 例中6 例は4 回までに効果が確認できた。本症は汗腺神経障害,特発性純粋発汗不全,特発性汗腺不全の3 型に分類される。特発性純粋発汗不全はステロイドパルス療法が著効することが特徴のひとつであるが,自験例において特発性純粋発汗不全では4 例中3 例,他の病型でも5 例中3 例で有効であり,病型によらず試す価値があると考えられた。
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