Japanese
English
症例報告
骨髄癌腫症を生じ急激な経過を辿った悪性黒色腫の1例
A case of malignant melanoma with the bone marrow carcinomatosis resulting in aggressive clinical course
樹神 元博
1
,
伊崎 誠一
1
,
大城 貴史
2
,
土田 幸英
2
,
鈴木 正
3
,
平井 昭男
4
Motohiro KODAMA
1
,
Seiichi IZAKI
1
,
Takashi OHSHIRO
2
,
Yukihide TSUCHIDA
2
,
Tadashi SUZUKI
3
,
Akio HIRAI
4
1埼玉医科大学総合医療センター皮膚科学教室
2埼玉医科大学総合医療センター形成外科
3埼玉医科大学皮膚科学教室
4埼玉社会保険病院皮膚科
1Depertment of Dermatology,Saitama Medical Center,Saitama Medical School
2Depertment of Plastic and Reconstructive Surgery,Saitama Medical Center,Saitama Medical School
3Depertment of Dermatology,Saitama Medical School
4Depertment of Dermatology,Saitama Social Insurance Hospital
キーワード:
悪性黒色腫
,
骨髄癌腫症
,
DIC
,
臍部
Keyword:
悪性黒色腫
,
骨髄癌腫症
,
DIC
,
臍部
pp.1011-1014
発行日 2003年10月1日
Published Date 2003/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101377
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44歳,女性.初診の10年程前から腹部に黒色の皮疹を認めていた.1か月前から増大傾向を認めたため当科を受診した.初診時,臍上壁に一部で潰瘍化し,ドーム状に隆起する黒色結節を認めた.病理学的には表皮内,真皮内に胞体の明るい,メラニンを含有する異型細胞が,胞巣を形成して増殖していた.以上より,結節型悪性黒色腫と診断した.センチネルリンパ節生検で左鼠径リンパ節に転移を認めた.両側鼠径および腋窩リンパ節郭清,化学療法を施行した.経過中,著明な汎血球減少とDICを合併し,輸血など対症療法を施行するも効果なく,初診から約4か月半後,永眠した.剖検にて椎骨の骨髄は著明に黒色調を呈し,顕微鏡的に骨髄を含む多臓器に転移を認めた.骨髄癌腫症の原発巣は胃癌が多く,DICなどの血液学的異常を合併し,急激な経過を辿ることが知られている.
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