症例
多数のフタトゲチマダニ若虫による刺咬症の1例
加倉井 真樹
1
,
島田 瑞穂
3
,
安藤 秀二
4
,
出光 俊郎
2
1加倉井皮膚科クリニック,院長、自治医科大学附属さいたま医療センター,皮膚科(主任:出光俊郎教授)
2自治医科大学附属さいたま医療センター,皮膚科(主任:出光俊郎教授)
3自治医科大学,感染・免疫学講座医動物学部門
4国立感染症研究所,ウイルス第一部第五室
キーワード:
チマダニ属
,
マダニ刺咬症
,
白色ワセリン法
,
ティックツイスター
,
多数寄生
Keyword:
チマダニ属
,
マダニ刺咬症
,
白色ワセリン法
,
ティックツイスター
,
多数寄生
pp.1599-1603
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000214
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73歳,女性。2015年9月,雨の日に草むらで作業をした。3日後に瘙痒と紅色丘疹が出現した。初診時,左頸部,両上腕,右腋窩,体幹に合計8匹のマダニが咬着していた。初診後2日目に11匹,5日目に2匹,12日目に2匹のマダニが咬着していた。虫体6匹を局麻下に切除し,ほかは白色ワセリン法で除去した。除去した虫はチマダニ属フタトゲチマダニ若虫と同定された。その後,発熱や紅斑などはみられなかった。マダニ刺咬症の虫の除去方法は外科的切除のほか,白色ワセリン法やマダニ取り器を使う方法などがあるが,選択については,マダニの種類,想定される保有病原体で使い分ける必要があると考えられた。
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