Japanese
English
症例報告
フタトゲチマダニの幼虫および若虫による多発刺咬症の2例
Two cases of multiple tick bite of Haemaphysalis longicornis larva and nymph
木村 亜矢子
1
,
米山 啓
1
,
岸 宏久
2
,
小豆畑 康児
2
,
角坂 照貴
3
,
高野 愛
4
,
川端 寛樹
4
Ayako KIMURA
1
,
Kei YONEYAMA
1
,
Hirohisa KISHI
2
,
Koji AZUHATA
2
,
Teruki KADOSAKA
3
,
Ai TAKANO
4
,
Hiroki KAWABATA
4
1成田赤十字病院皮膚科
2成田赤十字病院病理部
3愛知医科大学寄生虫学講座
4国立感染症研究所細菌第一部第四室
1Department of Dermatology, Narita Red Cross Hospital, Narita, Japan
2Department of Pathology, Narita Red Cross Hospital, Narita, Japan
3Department of Parasitology, Aichi Medical University, Nagakute, Japan
4Laboratory of Systemic Infection, Department of Bacteriology 1, National Institute of Infectious Diseases, Tokyo, Japan
キーワード:
フタトゲチマダニ
,
幼虫・若虫
,
多数寄生
,
マダニ刺咬症
Keyword:
フタトゲチマダニ
,
幼虫・若虫
,
多数寄生
,
マダニ刺咬症
pp.817-821
発行日 2012年9月1日
Published Date 2012/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103417
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要約 症例1:1歳,男児.千葉県在住.庭で飼い犬と遊んだ後,体に多数の虫が付着していることに母親が気付き,当科を紹介受診した.マダニ幼虫刺咬症と考えた.容易に脱落し,咬着力は強くないように見えたため,摂子にて摘除した.虫体はフタトゲチマダニ幼虫,若虫と同定された.症例2:67歳,男性.千葉県在住.草むらに入った際に,粉が降りかかるように下肢に複数の虫体が付着し次第にかゆみが出現した.かゆみが増強したため約1週間後当科を紹介受診した.虫体はすべて脱落後であったが,持参した虫体よりフタトゲチマダニ幼虫と同定された.これらの症例より,フタトゲチマダニは口下片が短い上に幼虫,若虫では咬着力が弱いため,幼児例や多数刺咬例など,局所麻酔下での皮膚切除が困難であり,かつ刺咬後短時間であれば,刺咬力の弱い幼虫を摂子で摘除してみる価値はあると考えられた.
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