Japanese
English
症例
ヒトツトゲマダニによるマダニ刺咬症の1例
Tick bite caused by Ixodes monospinosus
安達 夏紀
1
,
小松 広彦
1
,
池田 英里
1
,
梅垣 知子
1
,
石崎 純子
1
,
高野 愛
2
,
塚原 高広
3
,
老谷 嘉樹
4
,
田中 勝
1
Natsuki ADACHI
1
,
Hirohiko KOMATSU
1
,
Eri IKEDA
1
,
Noriko UMEGAKI
1
,
Sumiko ISHIZAKI
1
,
Ai TAKANO
2
,
Takahiro TSUKAHARA
3
,
Yoshiki OITANI
4
,
Masaru TANAKA
1
1東京女子医科大学附属足立医療センター,皮膚科(主任:田中 勝教授)
2山口大学共同獣医学部,病態制御学講座(主任:豊福 肇教授)
3東京女子医科大学医学部,国際環境・熱帯医学講座(主任:杉下智彦教授)
4東京女子医科大学附属足立医療センター,小児科(主任:大谷智子准教授)
キーワード:
マダニ刺咬症
,
ヒトツトゲマダニ
,
Ixodes monospinosus
,
Rickettsia helvetica
Keyword:
マダニ刺咬症
,
ヒトツトゲマダニ
,
Ixodes monospinosus
,
Rickettsia helvetica
pp.1125-1128
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003350
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2歳,男児。2018年4月,長野県阿寺渓谷でのキャンプから帰宅後,頭頂部の虫体付着,発熱,咳を主訴に初診した。頭頂部に体長約5mm,灰白色の虫体が咬着していた。リケッチア感染症の可能性を考えたが,胸部X線検査で細菌性肺炎に特徴的な浸潤影がみられ,全身に皮疹なく,細菌性の市中肺炎の合併と診断した。アンピシリンナトリウム投与にて速やかに解熱,浸潤影は改善した。虫体は翌日に口器欠損なく自然脱落し,ヒトツトゲマダニ(Ixodes monospinosus)と同定された。本種による媒介感染症の報告はなく,自験例での全身症状は別症と評価したが,マダニ刺咬症では,媒介感染症を念頭に置き十分な検討が必要である。
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