Japanese
English
症例報告
多数の幼虫と1匹の若虫が同時寄生したタカサゴキララマダニ刺症の1例
A case of tick bites by simultaneous attachment of a lot of larvae and one nymph from Amblyomma tetudinarium
鈴木 一年
1
,
伊東 拓也
2
,
荒尾 俊夫
3
,
五味 方樹
4
,
藤澤 重樹
5
Kazutoshi SUZUKI
1
,
Takuya ITO
2
,
Toshio ARAO
3
,
Masaki GOMI
4
,
Shigeki FUJISAWA
5
1鈴木医院
2北海道立衛生研究所感染症部医動物グループ
3寄居本町クリニック
4五味皮フ科
5藤澤皮膚科
1Suzuki Clinic, Saitama, Japan
2Division of Infectious Disease, Hokkaido Institute of Public Health, Sapporo, Japan
3Yoriihoncho Clinic, Saitama, Japan
4Gomi Dermatology Clinic, Tokyo, Japan
5Fujisawa Dermatology Clinic, Tokyo, Japan
キーワード:
マダニ刺症
,
タカサゴキララマダニ
,
多数寄生
,
幼虫・若虫同時寄生
,
攝子単純切除
Keyword:
マダニ刺症
,
タカサゴキララマダニ
,
多数寄生
,
幼虫・若虫同時寄生
,
攝子単純切除
pp.767-772
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207399
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要約 73歳,女性.202X年6月中旬早朝,自宅裏山で筍掘をした際,斜面で仰向けに転倒した.2日後に上半身のチクチクした多発性小丘疹を主訴に来院した.両肩,両上腕,胸腹背部,臀部,下肢に紅暈を伴う黒色点状のマダニ幼虫を多数認め,右大腿に基底に発赤を伴う約2 mmのマダニ若虫1匹とマダニ幼虫数匹を認めた.初診日から2日間にかけて取れる範囲内の吸着マダニを攝子で単純摘除した.初診日の4日後(吸着6日後),被髪頭部,顔,胸部の約2 mmの飽血状態に近い黒赤色マダニ幼虫を単純摘除した.摘除後に非特異的紅斑の拡大があったが,tick-associated rash illness(TARI)の出現はなかった.摘除した幼虫209匹,若虫1匹はいずれもタカサゴキララマダニと同定した.幼虫の吸着後全期間,若虫の吸着3日後に口下片を皮内に残すことなく,単純に引き抜く方法で摘除できたことより,多数のマダニ寄生を処理するのに同法は有用であると思われた.
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