Japanese
English
症例報告
Paradoxical reaction(逆説的反応)に対しウステキヌマブとメトトレキサートの併用が有効であった尋常性乾癬の1例
A case of psoriasis vulgaris with paradoxical reaction which successfully treated with ustekinumab and methotrexate
宇山 美樹
1
,
橋本 由起
1
,
高田 裕子
1
,
関東 裕美
1
,
石河 晃
1
Miki UYAMA
1
,
Yuki HASHIMOTO
1
,
Yuko TAKADA
1
,
Hiromi KANTO
1
,
Akira ISHIKO
1
1東邦大学医学部皮膚科学講座
1Department of Dermatology, School of Medicine Faculty of Medicine, Toho University, Tokyo, Japan
キーワード:
TNF-α阻害薬
,
paradoxical reaction
,
逆説的反応
Keyword:
TNF-α阻害薬
,
paradoxical reaction
,
逆説的反応
pp.213-217
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204681
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要約 60歳,男性.22歳時に尋常性乾癬と診断された.58歳時にアダリムマブ80mgを導入し皮疹は徐々に改善したため40mgへ減量し,投与間隔を4週間へ延長後,PASIスコアクリアを維持していた.しかしアダリムマブ導入78週後(1年9か月後)に,体幹,四肢に鱗屑を伴う紅斑の再燃と同時に手掌と足底に掌蹠膿疱症様の膿疱を伴う紅斑が新たに出現していたため,アダリムマブの逆説的反応(paradoxical reaction:PR)と考えた.アダリムマブをウステキヌマブへ変更したが当初これらの皮疹は治療に反応不良であったため,メトトレキサートを併用したところウステキヌマブ導入63週後に掌蹠の皮疹は消退した.本邦におけるTNF-α阻害薬による乾癬様皮疹と掌蹠膿疱症の報告では,27例中17例で掌蹠膿疱症を発症している.TNF-α阻害薬投与後の掌蹠膿疱症の出現はPRである可能性を常に念頭に置くべきであると考えた.
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