症例
抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎の1例
戸張 華緒
1
,
後藤 あかね
1
,
澤田 美月
1
,
出来尾 格
1
,
石崎 純子
1
,
藤林 真理子
2
,
西川 あゆみ
3
,
桑名 正隆
3
,
田中 勝
1
1東京女子医科大学東医療センター,皮膚科(主任:田中勝教授)
2同,病理診断科,教授
3日本医科大学,アレルギー膠原病内科
キーワード:
抗MDA5抗体
,
皮膚筋炎
,
clinically amyopathic dermatomyositis
,
急速進行性間質性肺炎
Keyword:
抗MDA5抗体
,
皮膚筋炎
,
clinically amyopathic dermatomyositis
,
急速進行性間質性肺炎
pp.1563-1566
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000205
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
47歳,女性。6カ月前より10kgの体重減少,1カ月前から手に疼痛を伴う皮疹が出現。初診時,鼻背両側の浮腫性紅斑,前額部と耳介に有痛性の紅斑,手指背側にはGottron徴候,拇指尺側と示指橈側にmechanic’s hand,手指関節屈側には逆Gottron徴候がある。抗Jo‒1抗体陰性,筋原性酵素正常。皮膚の臨床所見や病理組織学的所見から皮膚筋炎をもっとも疑ったが,検査所見に乏しく診断に苦慮した。初診より1カ月後に抗MDA5 抗体陽性が判明し,確定診断に至った。呼吸器内科との連携が必要と考え転院,その後に軽度の間質性肺炎が指摘された。ステロイドパルス+シクロホスファミド間歇静注+タクロリムス内服の3 剤併用療法を開始し,経過は良好である。筋症状を呈さないclinically amyopathic dermatomyositisは,自己抗体による早期診断が予後改善に大きく寄与する。
Copyright © 2017, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.