特集 眼疾患のガイドラインと診療指針解説とアップデート
18 Leber遺伝性視神経症認定基準
中村 誠
1
1神戸大学大学院医学研究科外科系講座眼科学分野
pp.1335-1340
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002949
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Leber遺伝性視神経症(Leber hereditary optic neuropathy:LHON)は,母系遺伝形式を取り,若年男性に好発する両眼性視神経症である。その特徴的な母系遺伝形式から細胞質遺伝であることが推定され,1988年に,ヒトで初めてミトコンドリアDNA(mitochondrial DNA:mtDNA)の変異の関与が証明されるに至った1)。近年,「ミトコンドリア病」という概念が定着しているが,LHONは,その範疇に含まれる嚆矢となった疾患である。2015年に本疾患の認定基準が策定され2),他のミトコンドリア病とは独立して,厚生労働省の302番目の指定難病(難病の患者に対する医療等に関する法律第5条第1項に規定する指定難病)に認定されるとともに,2015年7月から医療費助成の対象にもなった。本稿では認定基準を理解するため,LHONの臨床的特徴と治療について解説した後,認定基準の課題についても触れたい。
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