私の経験
83歳で発症したLeber遺伝性視神経症の1例
月井 里香
1
,
牧野 伸二
1
1自治医科大学眼科学講座
キーワード:
Leber遺伝性視神経症
,
発症年齢
,
発症誘因
Keyword:
Leber遺伝性視神経症
,
発症年齢
,
発症誘因
pp.673-677
発行日 2023年7月5日
Published Date 2023/7/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003192
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
83歳で発症したLeber遺伝性視神経症(Leber hereditary optic neuropathy:LHON)の症例を報告する。患者は83歳男性。3年半前に左眼白内障手術中の核落下のため当科を紹介受診し,左眼は硝子体手術,眼内レンズ縫着術,経過中に進行した水疱性角膜症に対して角膜内皮移植術,右眼は白内障手術を施行し,視力は最高で右(1.2),左(0.15)が得られていた。2か月前からの右眼視力低下のため受診した。視力は右(0.04),左50cm指数弁で,視神経萎縮を左眼に認めたが,右眼に異常はなかった。Goldmann視野検査で,右眼はMariotte盲点の拡大がみられ,その3か月後には中心暗点が拡大した。頭部MRIで両眼とも視神経に造影増強効果はなかった。LHONの家族歴があったため,遺伝子検査を施行した結果,ミトコンドリアDNA 11778点変異を認めた。本症例は本邦で確認できる最高齢のLHONで,複数回の内眼手術が発症の誘因と推測された。
Copyright © 2023, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.