症例
全身性エリテマトーデス患者に生じた左上肢壊死性筋膜炎の1例
上條 広章
1
,
青笹 尚彦
,
五十棲 健
,
中島 敦夫
,
藏薗 侑人
,
渡辺 頼勝
1東京警察病院 皮膚科
キーワード:
Cefazolin
,
Clindamycin
,
Prednisolone
,
Silver Sulfadiazine
,
Streptococcus pyogenes
,
エリテマトーデス-全身性
,
治療的洗浄
,
デブリードマン
,
多剤併用療法
,
経皮投与
,
Streptococcus Infection
,
Tacrolimus
,
筋膜炎-壊死性
,
Meropenem
,
Mizoribine
,
Sultamicillin
,
上腕
Keyword:
Administration, Cutaneous
,
Arm
,
Cefazolin
,
Clindamycin
,
Drug Therapy, Combination
,
Debridement
,
Lupus Erythematosus, Systemic
,
Therapeutic Irrigation
,
Prednisolone
,
Streptococcal Infections
,
Silver Sulfadiazine
,
Streptococcus pyogenes
,
Tacrolimus
,
Fasciitis, Necrotizing
,
Bredinin
,
Sultamicillin
,
Meropenem
pp.245-249
発行日 2017年2月1日
Published Date 2017/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017215735
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40歳女性。13年前より全身性エリテマトーデス(SLE)の加療中であった。今回、左肘に疼痛を伴う紅色丘疹に続き、左前腕から手背に発赤や腫脹が拡がり、疼痛が増悪したために受診となった。初診時、左肘から左前腕に光沢を伴う発赤、強度の腫脹がみられ、一部に弛緩性の水疱がみられた。臨床検査では炎症反応の上昇を認め、単純CTでは左肘部から前腕にかけて腫脹や筋膜肥厚が目立ち、筋膜に沿った液体濃度を認めるも、ガス像はみられなかった。左肘部に小切開を行ったところ、乳黄色で漿液性の排液、筋膜の壊死所見を認め、培養結果と併せ、A群溶連菌による壊死性筋膜炎と診断された。入院後はセファゾリン+クリンダマイシンの投与を開始し、SLEによる創傷治癒遷延を考慮して皮膚をなるべく温存し、3ヶ所の小切開から深部のみデブリードマンを行い、連日の洗浄、包帯圧迫とした。入院28日目には炎症反応が改善し、入院66日目に局所陰圧閉鎖療法を開始し、切開部が縮小したため入院92日目に退院となった。半年後に切開部位は瘢痕化し、拘縮はみられていない。
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