特集 細菌感染症
A群溶連菌による右手化膿性腱鞘炎の1例
笠井 弘子
1
,
小幡 祥子
,
野尻 綾乃
,
河原 由恵
1けいゆう病院 皮膚科
キーワード:
Clindamycin
,
Streptococcus pyogenes
,
化膿
,
腱鞘炎
,
デブリードマン
,
多剤併用療法
,
皮膚疾患-手部
,
Streptococcus Infection
,
Sultamicillin
Keyword:
Clindamycin
,
Drug Therapy, Combination
,
Debridement
,
Hand Dermatoses
,
Streptococcal Infections
,
Tenosynovitis
,
Streptococcus pyogenes
,
Suppuration
,
Sultamicillin
pp.1806-1807
発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017081143
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55歳女。右手の疼痛、腫脹を主訴とした。明らかな外傷の既往はなく、右手掌から手首にかけて著明な腫脹と手首屈側に境界明瞭な大豆大の紅斑がみられ、疼痛のため手指の屈曲は困難であった。右手首の皮下穿刺液よりA群溶連菌が検出され、蜂窩織炎として治療を開始するも症状は増悪し、右鼠径部、左足背にもA群溶連菌による軟部組織感染症が多発した。また、通常の蜂窩織炎よりも発赤が軽度で、手掌から手首にかけて限局した腫脹を認め、深部の感染症が疑われた。さらに、Kanavelの四徴を満たし、第13病日のMRIで手掌腱膜周囲、右前腕筋間に膿瘍形成を認めたため、化膿性腱鞘炎と診断してデブリードマンと持続洗浄療法を行い、炎症は徐々に沈静化した。
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